加齢黄斑変性について
視野の中央に支障をきたし、見たいところが見えない状態に
目には、カメラのフィルムにあたる部分が目の底(眼底)にあります。それを網膜と呼びます。その網膜の中心に、物体を特に鮮明にはっきりと感じる黄斑という場所があります。加齢黄斑変性とはその黄斑に年齢的な変化・変性を生じてしまう病気です。加齢黄斑変性(AMD)は日本における視覚障害の原因疾患の第4位で、男性は女性の約3倍みられ、約20%の人は両目に発症します。
症 状
物を見る中心である黄斑が障害されるため、視力低下やゆがみ(変視症)を生じます。 視力低下の度合いは患者と黄斑変性のタイプによってまちまちですが、進行すると0.1以下に低下する場合もあります。基本的にすべて真っ暗になることはありません。
検査方法
視力検査、散瞳剤を使った眼底検査、光干渉断層計(OCT)検査を行います。
加齢黄斑変性の種類
大きく分けて2種類あり、タイプにより病気の進行が変わってきます。
- 萎縮型加齢黄斑変性(ドライタイプ)
黄斑に出血や浮腫がないために、進行がゆっくりのタイプ
治 療血流改善を目的として飲み薬を使うことはありますが、有効な治療法はありません。
ただ、視力低下が起こっても進行はゆっくりです。まれに滲出型になる場合があり、経過観察を行います。- 滲出型加齢黄斑変性(ウェットタイプ)
黄斑に出血や浮腫を起こし、進行が急速のタイプです。
典型的な進出型加齢黄斑変性、ポリープ状脈絡膜新生血管(PCV)、網膜血管腫状増殖(RAP)の3種類あります。治 療アイリーア、ルセンティスという抗VEGF薬剤を使用して、抗VEGF治療(硝子体内注射)を行います(ベオビュという抗VEGF薬も最近発売されました)。
初期治療には月に1回の抗VEGF治療を3回行います。病気の状態をみながら、抗VEG治療を定期的に行うのが 一般的です。その他、光線力学療法(PDT)やステロイドの局所注射を併用することがあります。黄斑に大出血した場合 は手術が必要になる場合もあります。
治療は視力回復を目指す一方、現在の視力を維持するために行うと思っていただいた方がいいかもしれません。
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